チャンピオン【完】
「知らない」
私は当然のように言い放った。
それがよほど可笑しかったらしく、貴丸は吹き出した。
「それなのに、なんでそんなに俺の事怖がるんだよ?」
「怖いからじゃん!
なんか最初から私の事無視するしさ!
あんたのこと怖くないなんて女子高生いないっての!!」
私はワザとぶっきらぼうに答えた。
だけど正直に言うと、彼に対する恐怖はほぼなくなっていた。
こんな風に笑う奴だとわかれば、そう怖い事はない。
だがやつは微妙に傷ついた顔をした。
言われ慣れてないとも思えませんが。
「ああ、それは悪かったよ。お前にどんな顔して会えば良いかわからなかったって言うか...
俺も久々の日本の女子高生とか、どう接したらいいのかわかんなかっただけだって」
そんなものでしょうかね。
無表情な化け物だとばかり思っていた彼は、ただの照れ屋の人見知りさんだったわけか。