チャンピオン【完】
「... まぁ、そんなところ」
だが、そう思っている事を知られたくはない難しいお年頃です。
「そうなんだ、私たちも。ずいぶん高いの見てるね」
私が並べているアクセサリーは2千円ゾーン。
バイトをしていない我々にとっては高額商品には違いない。
「今日はスポンサーがいるから... 」
「えっ? どこどこ? 彼氏出来たの?」
「... そういうんじゃ、ないけど...」
アレ、と指さした先で、貴丸は相変わらず斜に構えている。
ヤクザが獲物を物色しているかのように見える。
恐ろしいことこの上ない。
怪しい奴がいるって、誰かに通報されたりしないのだろうか。
だが、梨沙の反応は違った。
「きゃあ! ワイルド~、お話してこよーっと」
私の話を聞いてもいないらしい彼女は、止める間もなく貴丸に駆け寄って行った。