チャンピオン【完】

「USAチャンピオンだよ! ともかく凄いんだ。強いんだ。握手して貰えますか」

マジでか。

否定もせずに握手してあげているところを見ると人違いではなさそうだが、何だか信じられません。



「詩ちゃんちプロレス団体って噂本当だったんだ... 羨ましいな」

「へぇ〜」

興奮している了くんと反対に、梨沙は急速に貴丸から興味をなくしたようだった。

そうです、それが普通の女子高生の反応。


プロレスってあの野蛮なやつでしょ?

殴ったり蹴ったり、血が出たり、... 。

そんなのやってる人、いや。


私と、同じだ。





二人と手を振って別れ、私は急いで店内に戻った。

貴丸は怒ってはいなさそうだったが、機嫌を損ねて買ってもらえなくなったら大変だ。


途中で心配になって振り返ったら、奴は姿を消していた。

トイレか?

お財布がいないのだから、のんびり選んじゃおう。

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