チャンピオン【完】
30分後、ふと見たらさっきと変わらぬ様子で貴丸はつまらなそうに入口の見える位置に立っていた。
「決まった。2千円下さい」
無粋に差し出した私の掌に、彼はお金ではなくポケットから取り出した長細い箱を置いた。
「... なにこれ」
「やる」
時限爆弾か何かか。
怯えてそのリボンのかかった青い箱の黒い文字を読んだ私は、危うく手から落としそうになった。
「ひぃっ!」
贋物でなければこれはティファニー。
クリスマスか誕生日に、高校生の彼氏がちょっとバイトを頑張って用意してくれる定番であります。
きっと了くんは梨沙にあげたりするのだろうが、彼氏のいない私は当然貰った事などない。
ちょっと憧れの御品であった。
それを寄越すのか、彼氏でもないあんたが。