灰色の羽
「僕のパトってあだ名だってマキが付けたでしょ?僕がいつもパトリックの靴履いてるからって理由で。」



「え?そうなの?!」



チャーが仰々しく驚いてみせた。


私は知らん顔でコーヒーを味わい続ける。


「なんだ、パトもなんだー。」


「パトも?チャーもそうなの?チャーはてっきり髪が茶色だからチャーかと思ってた。」


せっかくの機会だから私が直々に由来を話すことにした。チャーに話させると絶対に長くなる。


「中学の時にね、こいつに誕生日なに欲しいって聞かれたのよ。私は当時チャールズアンドキースのミュールが欲しかったから、それって言ったの。そしたらこいつ店からとってきて、はいプレゼント、とかほざきやがったのよ。」



いま思い出しても腹立たしい。



「それって万引き?」


「いやーそんときは金もなかったしさー、若気の至りってやつ?」


チャーはなぜか嬉しそうに頭をかいている。


「それ以来こいつのことチャーって呼び出したのよ。」


「そのミュールどうしたの?」


「店に謝りに行って返してきたわよ。店の人が心の広い方で助かったわ。」
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