灰色の羽
「ってか今はそんな話題じゃないでしょ。あだ名はどうしたの?」

今日は朝から何度ため息をつけばいいのか。



「ああ!そうだった!」


「マキのでいいんじゃないかな?」



ようやく話が本筋に戻った。



自分で言っておいてなんだけど、こんな簡単に決まっていいものか、とも思う。


「ミイってかわいいじゃん!なぁお前もそう思うよな?」


いまだスープを口に運び続けている少女にチャーは問い掛ける。


だが、やはり少女は沈黙を保ったまま。



「なぁ、聞いてる?」



状況はかわらない。



「うーん、やっぱ本人の承諾はとりたいなぁ。ねえマキ?」

パトは私に同意を求めてきた。




だから、なんで私にふるのよ、




確かにこのままじゃいたちごっこがひたすら続くだけ。



またため息をついて、

「あんたそろそろ何か喋りなさいよ。あんたの話をしてるのよ?」


ふと、思い付いた。


「あんたもしかして話せないの?別にいいけど、少なくても耳は聞こえてるんだからイエスかノーくらい意思表示しなさい。」



話せない、もしくは声が出せないのでもそれくらいは出来るでしょ、



「あんたの呼び名決めてるのよ。何も言わないなら勝手にミイって呼ぶからね。」




嫌なら名前くらい名乗りなさいよ、




「いいの?よくないの?」



私なりに優しく言ったつもりだ。
これで何も言わないならお手上げだ。
< 29 / 40 >

この作品をシェア

pagetop