灰色の羽
私はその隙にテーブルに置かれた食器をトレーに重ね乗せ、キッチンへと運んで行く。



あの子が静かな今のうちに、洗い物を済ませようという算段だ。




と言ってもいつも静かなのだけど…



目は口ほどに物を言う、との言葉然りに、あの子の視線は私にとってはとてもうるさく感じるのだから、言語的には矛盾していても、私的にはしっかりと的を射ていると思っている。



もちろんこの食器洗いの労務も、

「僕がやっておくよ。」

と、パトは名乗りを上げたけど、そこはやはり丁重にお断りした。




朝からあれだけ甲斐甲斐しく動いてくれた人にそこまでさせるわけにはいかない。




スポンジを泡で食器の上を滑らせながら今後の展望を考える。




成り行きとは言え、身元不明の子供を預かっている身としては、正直この状態を長く続けたくはない。



ミイには悪いがあの体の痩せ方や傷を見る限り、何らかの事件性を疑ってしまう。




推測ではあるけど、あれはきっと虐待…
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