➤うたた寝びより
\ #1 夕焼けの唄 /
夕方。
こんな綺麗で、落ち着くときってないと思う。
窓辺にほおづえでもつこうか?
心地のいい暖かい日の中そっと呟く
「すき」
誰にかは分からないけど。

図書室の隅っこ。
ここはいつもの特等席。
ココに座って、夕日を見ながら本を読む。
今日は恋愛小説でも読もうか?
そう考えながら、ふと振り返った。
なんの気配も感じなかったと思うけど。

ぱち

一人の男子と目が合った。
そっと私は微笑むと、向こうは手を伸ばした。

「?」

よく分からなかった。
急に髪の毛を触られるのは慣れてない。

「髪にほこりついてる」

「ありがとう」


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