いばら姫と王子様 ~AfterDays~
 

「芹霞、僕って大概心が狭い人間だと思わない?」


味気ない病人食を芹霞と共に食べながら聞くと、


「そう? 玲くんは我慢強い男だと思うけど?」」


「……」


「……玲くん?」


ありがとう芹霞。


僕を男と呼んでくれたね。


無意識かも知れないけれど、君は僕のことを"人"としか表現してくれてなかったんだよ。


僕は、君の中で変わっているのかな。


少しでも、特別な位置に上っているのかな。


「芹霞」


「ん?」


「退院が楽しみだね」


「そうだね」


退院したら。


僕は君を手に入れるからね。


もう遠慮はしない。


相手が誰でも、僕は君が欲しい。



「……玲くん、また診察?」



ごめん、芹霞。


やましい心は極力抑えるから。


なるべく、他の場所は見ないようにするから。


だから、僕だけに特別な傷痕に触るのだけは赦して。




―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―


「ねえ、本当に触れたいのは君の心なんだよ?」





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