さよならさえも、下手だった


――優しい、殺し屋の話をしようか。


彼は優しくて、優しすぎて、たくさんの罪を独りで背負っていた。

暗い希望を抱えて生きてきて、彼の支えはそれだけだった。



そんな彼は愛する人と出逢って、変わったよ。


出逢い方さえ不器用な彼らは


さよならさえも、下手だった。






だから今も



共にいるよ。




-end-


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