屍都市
全身から脱力するのを感じる。

幸羽もまた相当に神経を使ったらしく、疲れた顔をしていた。

純も柄にもなく、顔をクシャクシャにして泣き崩れる。

よかった。

本当によかった…。

「貸して下さい!」

山田が幸羽の持つピンセットごと寄生虫を受け取った。

そして。

「こいつめ!こいつめ!よくも雄大君を!」

地面に置いて踏みつける!

憐れ山田の全体重を受け止める羽目になった寄生虫は、醜い体を更に醜く潰されて絶命したのである。

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