とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
「さて、んじゃ俺行って来る。」
「…行くってどこに?」
「集会に決まってるじゃないか」
「こっ…虎太郎くん参加する気!?」
「じゃないと中の様子が分からないだろ?」
確かそうだが…
『ハニエルなら問題ない』
ウリエルは頭の中でキッパリ言い切った。
「…分かった。
俺達はガクに会いに行く。
後でaxelで落ち合おう。」
「了解!」
そう言い残すと虎太郎はゆっくりとした歩調で建物の中に消えて行った。
「右京、大丈夫かな…虎太郎くん…」
「ウリエルが問題ないって言ってるから大丈夫だろ。
俺達もaxelに行くぞ。」
そう言うと少し離れた場所に置いたバイクに向かった。
axelに到着し、「絶対に俺から離れないように!」と忍に注意してから扉を開けた。
「…すごい…」
まるで異世界に迷い込んだような感覚に、忍が俺の腕を掴む手に力を強めたのが分かった。
「はぐれたら間違いなく喰われるぞ」
「喰われるって…」
「見てみろ。ここは獣の巣窟だ」
冗談混じりに言うと忍は一瞬息を飲んだようだった。