とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
忍はただ黙って俺の話しを聞いてくれた。
笑われるかとも思ったが、彼女の反応は意外にも落ち着いたものだった。
「何年一緒にいると思ってるの?
ちょっとやそっとじゃ驚かないわよ。」
そう言って俺の銀髪を撫でた。
いつも通りの態度が嬉しくて彼女を思わず抱き寄せた。
「…忍…ありがとう…」
耳元で囁くように言った言葉に忍は抱き返してくれた。
ああ…お前は本当に女神みたいだ…
この家に来たあの日から、今も変わらず俺に愛をくれる。
とても暖かく心地良い愛を…
恥ずかしくていつも素直になれないけど、どんな事があっても忍だけは守ってやろうと誓った。
例え彼女が俺にどんな酷い事をしたとしても、俺は彼女を許すんだろうな…