とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
金曜は夕方帰宅すると玄関で師範と鉢合わせになった。
「…師範出掛けるの?」
「うむ。忍も友達と誕生日ぱーてーらしいからのぅ。
ゲンさんと一杯やってくる。」
師範は酒を飲む仕草をしてニヒヒと笑った。
「飲み過ぎんなよ?」
飛び跳ねように上機嫌で出て行く師範を見送って家に入る。
忍は帰って来ていなかった。
「この時間に帰って来てないって事は直接axelに行くって事か…」
指輪を取りに行ってそのままaxelに行けば、余裕で間に合うか…
着替えを済ませて出掛ける準備をしていると、ガクから電話がかかって来た。
「黒崎、今どこだ?」
「家。もう出掛けるけど。」
「ちょっと頼みがあるんだけど、潤貸してくれ。」
「潤?いいけど何か問題起きたのか?」
「人手が欲しいんだ。axelに寄越してくれ。」
「あぁ…分かった。」
俺は電話を切ると手を翳して潤を召還した。
「お呼びでしょうか。」
「ん。axelで人手が足りないらしい。
悪いんだが行ってくれるか?」
「お安い御用です。」
潤は可愛らしく笑うと黒い霧にまかれて消えた。
それを見届けてから俺はバイクに乗ると指輪を取りに出掛けた。