とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
一通りの準備運動を終えた後、俺は門下生代表としてタカユキと手合わせをする事になった。
俺は正座をしてタカユキを見据えた。
来年高校だったっけ…
身長こそまだ低く目だがどこか大人びた表情をしている。
「「よろしくお願いします」」
木刀を構えるとタカユキがその手に力を込めたのが分かった。
俺に打ち込んでくる一撃一撃は完璧な位模範的な太刀筋で驚いた。
だが、完璧過ぎる。
それ故に次の手も読みやすく、俺は次々にタカユキの太刀を流した。
そして彼に致命的な欠点があった。
真っ直ぐなその性格はすぐ顔に出る。
そこで試しに俺はタカユキを挑発するようにニヤリと不敵に笑ってみた。
「!?」
明らかに動揺して一瞬隙だらけになった。
俺は初めてタカユキに向かって一撃を放った。
自分の手から離れた木刀がカランと転がるのを茫然と見つめていたタカユキがゆっくり俺に向き直った。
「タカ。太刀筋が完璧過ぎた。
あれじゃ次の攻撃もすぐわかって決定打にならない。」
「くっそぉ!」
「それとお前は顔に出やすい。
相手に動揺を悟られるな。」
「どっ…動揺なんてしてないよ!」
「そうか?明らかにしてたぞ。」
「うむ。しておったな…」
ずっとその様子を見ていた師範がタカユキにそう言うと微笑んだ。
「タカユキ。見ておれ。」
そう言って師範は木刀を俺に向けた。
それに合わせて俺も構えた。