とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
「忍さん、すげー美人だな!
しかも話しやすいし、イイ人で安心した!」
忍が席を外した隙に虎太郎がハイテンションで俺に言った。
「ここまで意気投合すると思ってなかったがな…」
不機嫌そうに答える俺に赤面した親友が焦り出した。
「え?妬いてるの!?
俺はウリ坊一筋だから安心しろ!」
「お前にじゃねーよ!」
ムッとした顔で言った俺を見て虎太郎は吹き出した。
「可愛いな、お前!
わかりやすいヤツ~」
どうも虎太郎と話してると調子が狂う。
「俺、右京も好きだけど、忍さんの性格も好き~」
「…やらねーぞ…」
「分かってるって!
どーこーしようなんて思ってないから!」
俺だって分かってる。虎太郎はそんなヤツじゃない。
だからお前と親友なんだ。
忍が戻ると「学校では俺が右京を守りますから!」とワケのわからない宣言をして虎太郎は帰って行った。