とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
翌日、忍は気分が悪いと言って部屋から出て来なかった。
「忍はまた具合が悪いみたいじゃのぉ…」
「…らしいな…」
「色んな風邪が流行ってるから、またぶり返したのかもしれん…」
心配する師範に適当に相槌をうち、あれこれ聞かれる前に家を出た。
朝一番で虎太郎に電話し登校途中で落ち合い事情を説明した。
「情報が少なすぎて相手の特定が難しいな…」
「潤は面識があるかもしれないって言うんだ。」
「その可能性も高いな。」
「とりあえず今日、帰りに昨日の被害者って言われてるやつに話を聞こうと思ってる。」
「俺も行くよ。」
テストも終了して浮き足立つクラスメートに帰りに遊びに行こうと誘われたが、パスしてそのままaxelに直行した。
まだ昼過ぎだと言うのにゴウはわざわざ店で俺達を待っててくれた。
「早かったな。学校終わったのか?」
「ああ。例の知り合いは?」
「葉山だ。もうすぐ来るはずだ。
元sevenで今はただのフリーターやってる。」
ゴウはボックス席に座ると俺達に缶コーヒーを投げて寄越した。
「この前のサプライズパーティーあっただろ?あの時ピザの配達を頼んだんだ。
面白い事が好きで最高にノリのいいやつでさ~」
ゴウは何かを思い出したらしくちょっと笑ったが、すぐに真顔に戻った。
「それが先週駅前でバッタリ会った時…別人みて~だったんだよ。」
「その時、何か言ってなかったか?」
「あ~…ブツブツ言ってた。
“いない”とか“どこだ”って…
お、来たぜ!葉山、こっちだ!」
ゴウが手を振って呼んだ男に俺は視線を向けた。