とある堕天使のモノガタリ ~INTROITUS~

俺の厄日



午前の授業が終わり、俺は虎太郎と友人の陸、寛二と共に学食へ向かった。



話題は夏休みの事で持ちきりだった。



海に行こうとか、山に行こうとか色々言ってたが興味のない俺はあまり聞いていなかった。




「つーか男クラだと出会いがねぇよなぁ~
男だけで行っても面白くねぇよ。」



「んじゃ合コンする?
バイト先の子に丁度セッティング頼まれてたんだよ!」



「お!いいねぇ~!やろうぜ!」



「4対4でいいよな?」




・・・ん?4人って・・・




「おい、俺もメンツに入ってんの?」



「「「当たり前!!」」」



3人からの視線に一瞬怯んだ。




「ウリ坊、まさか自分は彼女いるから参加しないとか言い出さないよな?」




虎太郎の言葉に寛二と陸が大声を上げる。




「彼女!?そんな話初めて聞いたぞ!?」



「ウリ坊に彼女...うそ臭いな...」



「...待て、俺に彼女いたらおかしいのかよ。」




そんな俺の言葉を無視して虎太郎が答える。




「女に興味ないようなツラして、ちゃっかり居るんだな~これが...
...俺だけ見ててくれればいいのに...」



「だからキメーよ!」




そんな虎太郎と俺のやり取りは日常会話なので気にせずに割り込んで来た。




「それって本命なの?それとも遊び?」



「…本命しかいねぇって…」




ちょっと照れくさくて俯きながら吐き捨てた。
その様子に何故か3人が真っ赤になった。




「う...右京ぉ~~~~~~~~~~~!!!
俺やっぱお前が好きだ~~~!!!
なんて可愛いんだ!!」



「やばい...その顔やばいって!!!」



「あ~~!今俺、虎太郎の気持ちが分かった!!」




虎太郎は抱きついてくるわ、他の二人は顔を赤くして手で覆ったりして、俺達の席だけ大変な騒ぎになっていた。



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