【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
俺は彼女と、彼女の旦那と三人で暮らすようになった。



旦那の方が問題で子供が作れなかったためか、本当の子供のように育ててくれた。



だが、俺の心の歪みはそんなんじゃ取れやしない。



彼の優しさが、愛情が、汚れた俺には綺麗過ぎた。逆に痛かった。



よっぽど、社長の俺への扱いの方が気楽だった。



彼女は、俺を見つけたその日から、俺を『ビジネス』に使うことを考えていた。



その思惑が実現しはじめたのは、俺が声変わりを終えた12歳の冬の日だった。
< 189 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop