【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
完全に優勢な立場の俺。



悔しそうな父親の顔に満足した俺は、煙草を奴の灰皿に押し付け、生放送のその番組のステージ裏に向かうべく、振り返らずに歩き出す。



滝本ヒデロウの復帰より、ずっとずっと、俺の方が注目されているし、俺は奴の隠し子という隠し玉を持っている。



この生放送でばらしてしまうのもありだと思っていたが、まだそれは早い。



もっと、もっとだ。



知名度が上がり、あいつなんか目でもなくなるまで、耐えるんだ。
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