【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!



そして兄貴の車に、何故か乗り込んだ私達。



「…ヤスってさ、運転出来んの?」



「免許は持ってる。…………ペーパーだけど。」



最後の小さな小さな一言に、私はサーっと冷や汗をかく。



「お…降ろせ!」



「あん?今更過ぎでしょ。っていうかレアモノだよ。『月野森きらら』の運転する車に乗れるなんて。」



糞!マジで一回痛い目見ないとこいつはどうにもならない。



いくら好きな相手だからって命まで預けたくない。



絶対こいつ、運転粗い。
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