【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
メイクアップが完成した頃に、ヤスの方も衣装を着るのが終わったらしい。



ウィッグを被るためにネットを被ったヤスの顔が良く見える。



初めてちゃんと見たヤスの顔の全容は、やはり日本人離れしたもの。



ハーフ、なのかな?本当に美術館にそのまま置けそう。



「さて、飛鳥ちゃんの方は終わったし、次はきららを作ろうか。」



野々村さんは私にニコリと微笑むと、ヤスのメイクの方に取り掛かった。



そのタイミングで、右京さんがやって来て、私を呼ぶ。



「飛鳥ちゃん、出番。」



私はその言葉に、これが現実であることを強く思い知らされたような気がして、ごくりと生唾を呑んだ。
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