先生あのね・・・
そして
マユは数日間、風邪で学校を休んだ。
その間、私は誰一人として味方のいない教室で
一人過ごした。
勿論、話かける人なんていない。
毎朝の心ない落書き
力なく消していく。
毎日続く非難
それが耳に入るたび暗闇が包み込む。
・・・もうこんな所イヤ。
学校なんて辞めたい・・・
ポケットの中の携帯電話を握りしめる。
唯一、先生を感じられるもの…
午後の体育の授業が終わって着替えをした。
・・・ない!携帯電話がない・・
慌てて周りを探す。
その様子を見てクスクスと小さく笑う声がした。
「私の携帯電話知らない?」
取り乱して大声を出した。
「お願い。大切なものなの!!」
みんなの笑い声が大きくなった。
すると一人が近づいてきて
「裏庭にあったりして・・・」
見下すように言い
笑いながら立ち去っていった。
私はそのまま教室を飛び出して
裏庭に走った。
途中
ただならぬ雰囲気で廊下を走る私に
小西先生は声をかけたが
かまってなんていられなかった。