先生あのね・・・


先生は最後の日の放課後

マユを呼び出した。


「鈴木、ちょっといいか?」



マユは先生の後ろを歩き屋上へ向かった。


フェンスの側に来て下を見下ろすと

校庭では野球部とサッカー部が練習をしていて


先生はその様子を眺めていた。




「先生、
本当に萌に何も言わず行くんですか?」

マユは先生の横顔を見ながら聞いた。

「あぁ」

先生は校庭を見下ろしたままそっけなく答えた。



「そんなのヒドイ。
萌が可哀そうだと思わないんですか?」

マユは声を震わせながら言った。



「これから俺の話すことは
教師としてではなく、生徒ではない羽田の親友の鈴木へのものだ」



真剣な眼差しで話すその人は
マユの知っている先生ではなかった。
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