先生あのね・・・


さらに数週間が経っても

周りの状況は何ら変わることはなかった。




そして

みんなの噂話も大きくなっていき
遂には‘妊娠説‘まで浮上してきていた。






そんなある日の昼休み


一人で歩いていると
前から三人組の女の子が近づき私を囲んだ。


「あなた、よく学校に来られるわね。そろそろ辞めたら?」


一人がそう言って

私は俯いた。



「先生も先生だよね。

生徒をほっといてどこかに行ってしまうんだもの。

無責任って感じ・・・」

「大体あなた達汚らわしいのよ」


三人の非難は続き


私のこの数か月の感情が一気に溢れ出した。





「私たちが一体、何を悪いことしたっていうの?

ただ、好きになっただけじゃない」


「開き直り?
よくそんな事を言えたのもね。
呆れた・・・・」

そう言って

別の子は近くにあったバケツを持ってきて私の頭の上から水をかけた。



「いい加減、頭を冷やしたら?」


そう言い残して三人は笑いながら去って行き

周りで見ていた子たちも
止めることなく見て見ぬ振りをしてその場から離れて行った。





この騒ぎを聞きつけて走ってやって来たマユは


「萌、大丈夫?」


濡れたまま床に座り込んでいる私を抱きしめた。






「私たち悪いことをしていたの?」


呟く私に

「そんな事ないよ。
ただ好きになっただけ…

萌も先生も何にも悪くない」


マユは涙を流しながらそう言った。









そして

マユは最後にした直江先生とのやり取りを思い出していた。
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