先生あのね・・・
しばらくの沈黙が続いた後でマユは言った。
「明日が来たら、きっと萌は泣いてばかりいるよ?」
「そうだな。
泣いてくれたらいいんだけどな…」
先生は呟くように言った。
「先生、それはどういう意味?」
先生がこの質問に答えることはなかった。
「先生は萌に知らせなくて本当にいいんですか?」
マユは先生を見上げた。
「あぁ。萌は大丈夫だよ。
俺が側にいなくても
きっと乗り越えられる。
俺の信じた人だから・・・・
萌の事を思い一緒に泣いてくれる友達もいる」
先生はマユに笑いかけた。
「先生と萌って、いつも自分のことより相手の事ばかり考えているよね?」
マユは言いながら校庭を見降ろした。
「そうか?」
聞き返す先生に
「私、二人を見ていて
そんな関係に憧れる」
マユは先生の横顔を見つめた。
「鈴木だっていつかはそんな人に巡りあえるさ」
そう言って先生は空を仰いだ。
「そう言えば、先生とこんなに話をしたのは初めて…」
「そうだな。
鈴木はいつも萌の側にいたからな」
先生はいつもの先生の顔に戻っていた。
「鈴木にはいろいろ迷惑もかけたけど、ありがとう。
萌の事頼むぞ」
先生は真っすぐで力強い視線をマユに向けた。
「はい」