マリア教会
何が起こったのか分からない男の目に映ったのは、硝煙の出ている銃を掲げた小夜の姿。
男が撃つより速く、小夜の銃弾が男の銃口を貫いたのだ。並大抵の腕じゃない。
小夜は銃を掲げたまま呟く。
「これからも幸せに生きて行けると思いますか?」
「……」
無言の男。もう男に自由はない。
「どちらか選んで下さい。大人しく地面に伏せるか、抵抗して傷を負うか」
「く…」
男は観念したのか、静かに地面に伏せた。
小夜も銃を下ろし男に近付こうとした瞬間、パンッと渇いた破裂音のあとに背中に衝撃が走った。背中を誰かに押されたような。
「小夜!」
アイリの悲鳴を無視し顔だけ振り向くと、一番最初に足を撃った男が銃をこちらに向けていた。
そこで小夜は、自分が撃たれた事にようやく気付く。
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