禁断の恋はじめます
心はズタズタだった。

二人が幸せそうに見えたら
啓吾の気持ちがわからなくなる。


  愛してる

それは私だけじゃなくて
千沙さんにも囁いてる言葉なのかな…


千沙さんが大人でキレイで


私なんか足元にもおよばないし…


啓吾は私と千沙さんを
二人並べて何を想っているのかな


「やっぱ身内だからキモイわ……。」

私は盛り上がる輪の中に
そのプリを戻した。



私は本当は啓吾の妹じゃないけど
それを啓吾は知らないし


私は千沙さんと
同じ位置に立つことはできない。


もし…もし
同じ位置にいたら
私だけを抱きしめてくれるのだろうか



美しさでは格差のついた勝負だけど


でも啓吾には言えない……。

私たちが他人なこと

それは啓吾をきっと
傷つけてしまうことになるから


究極の選択でも
やっぱり私は啓吾のピュアさが
永遠に続くことを祈るしかできない


たとえ
結ばれなくても……。


自分の足元にも張った
薄い氷をわらないように
静かに歩いていくのが

啓吾の幸せなのかもしれない……。
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