禁断の恋はじめます
つながる未来
みんなで温泉に行こう

いきなり母が提案した。


「朱奈の休みに合わせたのよ。
温泉行こう。小さい頃毎年行ったでしょ。
あの温泉 新しくなったんだって。」


「あ…あの湖がキレイだったとこ?
でも俺は…温泉はちょっとな……。
こんなガリガリだからさ…。」


啓吾が申し訳なさそうに言った。


「それがね啓吾
今は客室露天風呂って言うのがあるの。
啓吾はそこでゆっくりするといいわ。
ね?パパ!!」


「あの温泉か~~。
窓から見える風景も冬だとまた
いいかもしれないな。」


やけにもり上がってる二人を
見ながら

啓吾が優しく微笑んでいた。



胸がキュンとした。



「看護師さんもいるから
行こうか。」啓吾が明るく言うと


両親が手を叩いた。


これがきっと最後になるだろう
家族旅行


両親はそう思って
温泉旅行を計画したんだと思った。



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