光と闇
魅楼はゆっくりと目を閉じた。そして口を開く。
決意しろ――・・・
自分自身に強く、言い聞かせた。
「霧澄、俺は――・・・」
選択肢に答えが見えないのは分かっている。それに、今の自分の決意は危険だという事も、全てわかっている。でも、だからこそ選ぶことだって言い聞かせた。大切なモノを守れるように、強くなりたい。そう思った。
「戦争に参戦したい」
自分の選択には後悔しなかった。何もしないよりはましだと、そう思えたからだ。
魅楼は泥が乾いてヒビが入った服をパンパンと音を立てて払い、霧澄を見つめて言った。

これが、この世に今まで誕生しなかった前代未聞の異例で異質な後継者であった――・・・
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