気付いてよ
今日の6時間目は視聴覚室でビデオを見た。
内容は完全に生物の先生の趣味だったから、途中で寝てしまった。
退屈なビデオ鑑賞を終えて、視聴覚室から教室に帰る途中に、一番遇いたくない人が視界に入った。
どうして、こんなに諦めたいと、忘れようと思っているときに遇っちゃうのかな。
遠くにいるのに気づいてしまうのが、まだ未練だらけってことを明白にしているようで。
だから、私はわざと隣にいる友達と話して、気付いていないふりを決め込んだ。
私はクラスの皆の中にいて、絶対に朋はこっちには気付かないって分かっているのに、すれ違う瞬間は、無意識に目を瞑ってしまった。
気付かないって断定できることが本当に悲しくて、切なくて、悔しかった。
すれ違い終わると余計に悔しさが増した。
気付いてくれないことは100%分かっていた筈なのに。