気付いてよ
離れなくちゃいけないと思いつつも結局そんなことは出来ないまま、3日が過ぎた。
今日の下校も朋と一緒。
朝一緒に登校した時に言われたから確定事項だ。
お昼休み、私は友達の真那と一緒に中庭にいた。
私たちは、お弁当を食べながらいつものように下らない話に花を咲かせていた。
「でね、聞いてよーって、奏にお客さんみたいだよ?」
急に私の後ろに視線を向けながら真那が言った。
「へ?」
突然のことに府抜けた声が出る。
「へ?じゃなくて、後ろ後ろ。」
言われて振り返ると私の後ろには同じクラスの大倉くんがいた。
バッチリ目が合う。
気まずい…。
とりあえず何か言った方がいいよね。
「ぇっ…と、私何かしたっけ?」
これが精一杯な私を責めたくなったけど、とりあえず相手の反応を待つことにした。
すると大倉くんはクスッと笑って私に言った。
「そんな驚かないでよ。別に霧島さんをどうこうしようって訳じゃないんだから。」
はにかんだように笑う大倉くんに一瞬目を奪われる。
こんな風に笑うなんて初めて知った。