気付いてよ
面喰ってしまった私は、大倉くんの声で我に返った。
「おいっ!お前…」
朋に殴り掛かりそうな大倉くんの一歩前にでた。
そして、私は彼に笑いかけた後、真顔で朋の方に向き直る。
「な、なんだよ。」
「切り替えが早いなんて、幸村くんだけには言われたくない!それに、付き合ってようが、付き合ってなかろうがあなたには関係ない。」
自分じゃないみたいに感情的にならずに言っていた。
私がこんなふうに言い返してくると思わなかったのかな。
朋は明らかに不機嫌な顔で、黙ってこちらを見ているだけだった。
「私のこと幼馴染としか見てないんでしょ?放っといてよ!」
それだけ言って、大倉くんに謝罪しながら私は元来た道を戻った。
そのまま告白をした公園に行って、大倉くんとベンチに座った。
「あーあ。」
「どうしたの?ってゆーかさ、あんなこと言って良かったの?」
「いーの、いーの。私ね最近思うんだけど、なんか、朋と私ってさ、きっとどうしたって一緒にはなれない運命なんだよ。」
自分で言ってて悲しくなったけど、本当にそうだと思った。