気付いてよ

勝手な妄想を勝手に繰り広げ、私は叶わない恋をする大倉くんが可哀相になっていた。

そして、彼に向かって言った。

「このことは誰にも言わないから…！」

私が彼を見ると、ポカン、そんな音がピッタリな表情でこちらを向いていた。

そして間もなく大倉くんは笑い出した。

「ちょっと、待って、はぁー。あー息できない！霧島さん面白すぎ。」

ちょ、え？
何なの一体。

はてなマークが10個くらい頭の上に浮かび上がっているだろう私に、無理やり笑いを押し込めた大倉くんが少し真剣な表情でこう続けた。

「僕が好きなのは、幸村じゃなくて霧島奏さん、貴方ですよ。」

あーそっか。朋じゃなくて…

「えぇっ！！？あ、あたし？」

全く状況が掴めない私に満面の笑みで大倉くんが言った。

「うん。だから、霧島さん、僕と付き合ってくれないかな？」