気付いてよ

気まずい沈黙を破ったのは、大倉くんだった。

「なんかいきなりごめん。で、一つ確認したいことがあるんだけどいいかな?」

「うん?いいよー。」

クラスで遊ぶ計画の出席とかかな?
でも、それだったら今じゃなくても。
そんなことを考えていたら、再び大倉くんが話し始めた。

「ありがとう。さっそくだけど、霧島さんって、幸村と付き合ってるの?」

「……はぁ?」

はぁ、と言うだけでも少し間が開いてしまった。
だって、私が朋のただの幼馴染っていうのは、もうとっくに周知の事実だと思っていたから。
予想外の言葉にびっくりした。

気を取り直して、私は答えた。
朋のことを好きな女子に答えるみたいに、いつも通り。

「付き合ってる訳ないでしょ。朋と私はそんなんじゃなくてただの幼馴染だよ。」

だから安心して、そう言おうとしたけど、相手は男子だ。

どうしてこんなこと聞くんだろう?

もしかして、朋って男子にまでモテるわけ?

たしかに綺麗な顔はしてると思うけど、あいつはただの女好きだからなぁ…。

大倉くん可哀相…。
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