気付いてよ

だから俺は、告ってくる女の子ととりあえずは付き合う。
適当に付き合い始めたけど気付いたら、なんてことはよく聞くしね。

まぁ、実際は大体さっきみたいになるから、俺はただの遊び人ってことになってるらしい。
らしいっていうのは俺の幼馴染や友達から聞いた情報であって、俺自身は耳にしたことがないからだ。

さて、と。

彼女もいなくなったし、今日は奏と帰ろ。

奏、本名霧島奏は俺の幼馴染。

マンションの部屋が隣同士で、小さいころからいつも一緒に帰っていた所為か、俺の中ではもう習慣みたいなものになっていた。

それに、途中まで帰り道が一緒より、部屋に着くまで一緒の方が退屈しなくて済むし、なんでかなんて分からないけど、奏と一緒にいるのは落ち着くんだ。

さすがに彼女がいる時は一緒に帰ったりしないけどね。
彼女とは今さっきお別れしたし、後で奏のクラスまで行こう。

5限が終わるまであと40分近くもある。
とりあえず寝よう。

5限サボったとかいったら、また怒るんだろうなぁ。

そんなことを考えながら瞼を閉じた。

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