気付いてよ

下駄箱に着くと私のクラスの下駄箱に寄りかかるようにして携帯をいじる奴がいた。

私を見つけるなり遅い、と言われる。
別にいつものやり取りだから、私も普通に対応する。

「朋が早いんだよ。どーせまたHRサボったんでしょう。」

靴を履き替えながら私は言った。
いつもならここで、なんで分かったんだよ、って返ってくるはず。

でも、朋哉の顔を見る限り、今日はどうやら違うらしい。

「残念でした。今日は6限からサボってるんですー。」

このバカ、と言いたくなったが、もう少しましな答えが返ってくる、そんな期待を持った私の方がバカかもしれないと思ってそれは止めておいた。

しかも、そんなこといえばまた訳の分からないことを言い出すに決まってる。

なんでうちの高校入れたんだろう。
そんなことが頭を過る。

今同じ高校に通っていることに少し疑問を覚えたが、考えたところでどうにもならないから止めにして、本題を切り出した。


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