気付いてよ
作業も7割方終わったころ、山崎がふと俺に声を掛けた。
「幸村は好きな奴いないのか?」
正直、山崎と恋愛の話かよって思ったけど、とりあえず答えた。
「昨日まではいた。」
「なんだそれ。どのくらい付き合ってたんだ?」
笑いながら山崎が聞いてくる。
「……3日。」
バカにされる。
そう思いながらも俺は正直に答えた。
後ろからは盛大な笑い声が聞こえてくる。
「そんなの、付き合ったうちにはいんないだろう。」
少し腹が立った俺は、山崎に振り向いて言った。
「っていうか、なんで先生はそんなこと俺に聞くの?」
すると、山崎が笑いを必死に堪えながら話し始めた。
「いやな、この前、お前はモテるけど長続きしないって風の噂で聞いたから、ちょっと興味湧いてな。」