気付いてよ
お互い缶ジュースを飲んでいる間、少しだけ沈黙が訪れた。
全然気まずくなかったけど、気付いたら私は口を開いていた。
「今日ね、朋と一緒に途中まで帰ってたんだけど、居た堪れなくなって、戻って来たんだぁ…」
大倉くんは頷くだけで何も言わない。
私が朋を好きなことに気付いたくらいだ。
きっと、朋と何かあったことくらい、とっくに分かっていたんだろう。
独り言みたいだったけど、それが何故か嫌じゃなかった。
「朋、大倉くんが私に告白してきたこと知ってたんだ。でね…そのこと聞かれたんだけど…私バカだから、期待しちゃって…。」
本当は誰かに聞いて欲しかったのかもしれない。
一度話し出したら、止まらなかった。
仮にも、大倉くんは私に好きだと言ってくれた人なのに。
「朋は、私のことただの幼馴染としか見てないのに…ね。」
望みがないことを自分で決定づけてるみたいで、言ってて悲しくなった。
そして、気付けば無意識のうちに握りしめていた手に、生温かいものが落ちてきた。
それを私が涙と気付く前に、次の瞬間、私は大倉くんの腕の中にいた。