気付いてよ
「結局…利用しちゃったね。ごめんね。」
「俺も役得だったし、本当にいいんだって。でも、謝るくらいなら、ありがとうって言って欲しいかな。」
謝る私に大倉くんは、おどけた様に言った。
それが、私の気持ちを軽くしようとしてるんだって思ったら何だか、心が温かくなった。
「ありがとう。本当にありがとう。」
2回くらいのお礼じゃ全然足りないけど、私は気持ちが伝わるようにお礼を言った。
「どういたしまして。じゃあ、僕帰るけど、明日もちゃんと学校来てよね。」
また明日って言いながら、私は帰っていく大倉くんを見送った。
大倉くんは私が泣き止むまでずっと、何も言わずに抱きしめていてくれた。
泣き止んでからも、そのことには何も言わずにマンションまで送ってくれた。
マンションまでの帰り道は、醜態を曝してしまったことが恥ずかしくて、大倉くんの顔が見れなかった。
話に相槌を打つのが精一杯で、正直何を話したかもうろ覚えだ。
でも、私の記憶が正しければ、当たりの障りのない内容ばかりだったと思う。