気付いてよ

ついにこの時が来た。

昨日の夜は全然寝つけなかった。
眠ったのは、正確には把握出来ていないけど多分3時ごろだと思う。

それでも、今日は1日眠くならなかった。
クラスの大半が寝てしまう日本史の授業でさえ、私の目はらんらんとしていた。

告白だけで、ここまで緊張してしまう自分の小ささに呆れるしかなかったが、今までの想いを全て打ち明ける、しかもこの告白には望みがなとくれば、普通の人なら緊張の一つや二つしてもおかしくない。

そう言い聞かせるので精一杯だった。

今の時刻は4時30分。
あと1時間後には、自分の想いに決着がつく。

少しでも平常心を保っていたくて、私は図書室で、大好きなゲーテの詩集を読んでいた。

図書室は私のお気に入りの場所だ。

それにうちの高校の図書室は、学校の外観自体こそ普通だが、この図書館だけは、昔の洋館のような赴きある建物だった。

周りには木々が生い茂っていて、今座っている窓辺の席からは放課後、とても心地のいい日差しが入って来る。

この場所で、好きな本を読むのが私は大好きだった。

本を読むのが昔から好きだった。
もちろん、漫画だって読む。
私は本当に活字の対しては雑食だ。

自分が面白いと思ったものはとりあえず手を付ける。

ゲーテも、教科書にたまたま載っていた詩が気に入って、この図書館で手に取ったのが初めてだった。

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