気付いてよ
「うん。朋にとってはね。」
私は呆気にとられている朋を見つめながら続けた。
「でも、私は違うんだ。今日はさ、朋に告白しに来たんだよ。答えは今ので分かってるから…朋にとって私は一生幼馴染、そうでしょ?」
朋に恋愛相談を持ちかけられる度、上手くなった作り笑顔を貼り付ける。
「な、なぁ。俺たちこれからもちゃんと幼馴染だよな?」
焦ったように言ってくる朋。
こんな私とまだ幼馴染でいてくれるんだ。
朋は本当に優しいよね。
そんなところも大好きだよ。
でも、今はその優しさが痛くてしょうがない。
「いつかは戻れるかもしれないけど…ごめん。今すぐは…無理かな。でも、弥生さんの前とか、家族でどっか行くって時は、ちゃんとするから安心して?」
「なんだよ…それ…!なんなんだよそれ!」
今にも掴みかかってきそうな朋に私は思った。
本当に、私は朋に大事にされているんだな、と。
もちろん、それは幼馴染としてだけれど。
「私さ、朋に嫌われたくなくて今まで隠してきたけど、本当の私はヤキモチも焼くし、束縛もしたいって思う、朋の一番嫌いなタイプなんだよ。最近は泣くのも朋の前では我慢してるしね。」
私は昔から泣き虫だった。
でも、朋が中学に入って、今の様になりだしてからはうざがられるのが嫌で、泣くのを辞めた。
「…?!」
そんなの知らなかった、と今にも聞こえてきそうな顔だった。