気付いてよ
バカバカって何なんだよ。
奏を他の女子みたく扱うなんて無理に決まってんだろ。
どうしたってあいつは、彼女じゃなくたって俺の中では特別なんだ。
「わけわかんねー…」
誰もいない屋上に寝っ転がって、空に向かって呟く。
呟いたところでもやもやの原因も、このすっきりしない感じの原因も分からない。
あいつ、奏は今日も元気にしてんのかな。
泣きそうな顔だったよな。
そういえば、あいつの笑った顔、最近見てないかもな。
もう少ししたらどーせいつも通りだ。
自分に言い聞かせるように、俺は心の中で何度も繰り返した。