気付いてよ
俺の返答に、今度は白石が目を丸くした。
なんなんだよ、こいつは。
「お、おま、お前断ったって言った?」
「だから、そーだって言ってんだろ!」
「ばっかじゃねーの!このバカ!あほ!」
ものすごい剣幕で白石は俺を罵ってくる。
「朋哉さ、いつもは告られたらオッケーしてんじゃん。なんで奏ちゃんは違うんだよ。」
こいつは何言ってんだホントに。
「んなこと出来るわけねーだろ。奏と他の女子を一緒にすんな。」
俺が言うと、白石はあからさまに俺に聞こえるように大きな溜め息を吐いた。
「お前が、そんなにバカだとは思わなかったわ。」
そう言って白石は立ち上がる。
「ちょ、おい。どこ行くんだよ。」
「バカと話すとエネルギー遣うんだよ。」
お前は少しここで頭を冷やしなさい、そう言って白石は屋上から出て行った。