花には水を
あ、カレー。
適当に靴を脱ぐと、私は小走りにリビングに向かって行った。
開放しきっているリビングのドア。
私は、そのまま中に入り鞄をソファーに投げた。
キッチンに立っている人影。
私は、背後から近づき鍋の中を覗く。
「正解、カレーだ」
うん、いい匂い。
「こら、帰ったらなんて言うの」
コツんと頭を小突かれ、表情を歪めながら鍋から目を逸す。
「似合わないよ、てかその言い方気持ち悪い」
皮肉を込めた言葉に、またコツんと頭を小突かれた。