花には水を
一階を探してみたけど、灯はいない。
遅い俺を探しに行ったのだろうか?
考えてみると、その方がありえる。
階段をのぼって、最後の段に足をかけると俺の教室の前で佇ず灯が見えた。
「…灯?」
そう声をかける俺に振り向いた彼女はやはり灯で。
やっと会えた…。
思わず緩む頬のまま灯に近づいたその時。
彼女は悲しそうに顔を歪めると一歩後ろへと下がった。
何が起こってるのか、いまいち判断できない。
そんな俺は、本当に馬鹿で…。
「…灯、どうしたの?」
どうして灯が悲しそうなのか分からなかった。