彼女は俺にゾッコンです
可愛らしい先輩



その日は健太が朝練で音楽室に居た。


珍しく三年のゆか先輩が来ていた。


そして椙本先輩がブレザーがないと、うるさく騒いでいた。


「寒いいぃぃぃー!!」


馬鹿の椙本先輩はブレザーを家に置いて来てしまったらしい。


「寒いぃー死ぬぅー由果ちゃんブレザー貸してぇー」


「やー!」


ゆか先輩、甘える椙本先輩を振り払い、即答で断った。


心の中で失笑した。


「根本に借りればいいじゃーん」


ゆか先輩が俺の名前を口にしてドキリとした。


泡をくった様な椙本先輩の顔と目が合い、更にドキリとした。





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