彼女は俺にゾッコンです


「は!?意味わかんない!!彼女いるのに傍に居たいって、人の気持ち知ってて遊ばないで!!」


ハンカチを投げ捨て、今にも飛び掛って来そうな勢いで立ち上がった。


「俺は椙本先輩が好きなんです」


俺は絶対に目を逸らさない。


俺の想いが伝わって欲しい。


「・・・それ本気で言ってるわけ?」


静かな口調になってもその言葉に怒りが宿っているのは変わらない。


「勿論、本気です」


「・・・嘘」


いやいやをするかの様に椙本先輩は左右に首を振る。


「嘘なんかじゃないです!!」


俺はじれったくなって椙本先輩を強く抱き締めた。


「はぅっ!」


椙本先輩の口から漏れる可愛らしい声で、俺の2本の腕に力が入った。


「・・・わかってくれましたか?」


顔を見るのが恥ずかしくて抱き締めたまま聞いた。


椙本先輩はコクコクと必要以上に頷いてくれた。









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