ツンデレ美女の恋愛事情~新・素敵すぎる上司~
「そろそろ君を独り立ちさせようと思ってたんだ。商品知識もバッチリみたいだしな」

「あ、はい…」

私は早く一人で営業したいと思っていたはずなのに、いざ阿部さんからそれを言われても、ちっとも嬉しいと思わなかった。
と言うか、むしろ嫌だなと思った。

「でも、まだしばらくは一緒に営業しなきゃいけなくなったな?」

「え?」

私はハンバーグを口に入れるところで、フォークを持つ手が止まった。

まだ阿部さんと一緒に営業が出来るの? なんで?

「あれ? 聞いてなかったのか?」

「何の事ですか?」

「さっき部長に、昨夜の失敗の穴埋めに、二人で新しい契約を取り付けるって、言っちゃったろ?」

ああ、確かに阿部さんはそんな事を言ってたわ。そうか、『二人で』って、阿部さんと私でって事だよね…

「だから悪いけど、もうしばらくはよろしくな?」

「あ、はい。私こそ、よろしくお願いします!」

私は元気よくハンバーグを口に放り込んだ。
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