夜中散歩
「いや、別にいいけど他の人に言っちゃ駄目だよ、特にあのオバサンには」
指さす先には着替えながら今日のブラがどうのこうの騒ぐ由梨。
「分かりました」
笑いながら由梨を見る。

なんであのクソ店長はこうもガキを採用させるかなぁ。
そう言う私もガキなんだけど。
「凛華ちゃんも行かない?これからキャバ嬢のアフターファイブだよ」
「行っていいんですか?」
「もちろん、っていうかね先輩達に慣れるには必須よ」
Dearestに所属する女の子は総勢で40名弱。
そこから幽霊嬢やら、なんやらって引くと30いるかいないか。

「お疲れ様でした」
店を片付けしながら一人一人に挨拶する庄司くん。
「よし行くぞー!」と叫ぶ由梨をよそに私は「怒られたっしょ」と言った。
図星。顔が強張ってる。
「あんなクソ店長放っておけばいいよ、しかもまた・・・」
言いかけて、やめる。
?マークがついたような庄司くんをよそに「お疲れ様です」と逃げる私。
「店長がこっち見てる!」と言い残して。

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